現代ドイツの街をあのヒトラーが闊歩する映画『帰ってきたヒトラー』の感想
どうも、てんぐますたーです!
関東地方にこれまでに例の無い勢力の台風が来ているそうですね。ネットサーフィンをしていると、どこぞのニュース番組のテロップでこの台風について「明日には世界が変わっている」みたいな文言が出ていて、台風の強さよりも、その文学的な物言いについつい心が惹かれてしまいました。
そんな私の住む札幌は雲一つない晴天が広がり、9月だというのに何をしていなくともジワリと汗が出てきてシャツが体に張り付くような1日でした。
さて、それはそうと、映画『帰ってきたヒトラー』を見ましたので感想を書いていきます!(笑)
『帰ってきたヒトラー』ってどんな映画?
ドイツの同名小説を映画化した本作は、ドイツで2015年に公開され、日本では2016年に公開されました。河出文庫より日本語訳された文庫本も刊行されています。
本作は、2014年のドイツにあのヒトラーが姿を現したらどうなるのかという、実験的かつ、精力的な作品です。
ブラックユーモアに富んだコメディ作品としてのニュアンスが強いのですが、随所に差し込まれる現実で起こっている環境問題や移民問題など様々な、社会的な問題にも切り込んでおり、視聴者に疑問を問いかけるような作品となっている。
書きたいことをあれこれと
原作を読んでいるときから謎だった、ヒトラーがどうやって現代に飛ばされてきたのかというのは、本作でも謎のままになっています。きっと、「その時、不思議なことが起こった」的な感じで現代に飛ばされたのでしょう。
正直、この映画にケチをつけるなら、「どうやってヒトラーは現代にやってきたの?」っていうことしか個人的には見当たらない。ただ、そこにケチをつけるなら、「そもそも、ヒトラーが現代に来て諸々動き回ること自体おかしいだろ」と文句をつけざる得ないけど、そんな野暮ったいことを言うほど心に余裕がないわけでもない。
さて本作のヒトラーは皆さんご存知の、あのヒトラーなのですが、2014年のドイツ国民にしてみれば、彼はお笑い芸人だと思うわけです。そりゃ、70年近く前に亡くなっている方が目の前に現れて、「タイムスリップしてきたに違いない!」って思うほうがどうにかしているわけですが……(笑)
ヒトラー本人は大真面目に話しているのに、人々はスゴイ芸人が出てきたと思っているわけですよ。そのボタンの掛け違いのような関係が、物語をコメディ仕立てにしていて笑いを誘うのですが、ヒトラーの掌でコロコロされているような不気味さも静かに立ち込めていて、大きな過ちを犯してしまったのではないかという、ヒヤリとしたものを感じます。
おわりに
個人的にはすごく楽しめました。
本作を通じて思ったこととして、ヒトラーが現代にどうやって来たのかという問題に対して、まったくと言っていいほどノータッチだったことから、心の余裕を感じました。
面白ければ細かいことはいいんだよの精神は素直に見習いたいところだと思います。
この2日で4回くらい見ているけど、全然飽きない(笑)
お財布に余裕があるときにDVDを買おうかな。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
また読んでいただけると、これ幸いです。