てんぐの巣

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登場人物全員バカな映画『パージ』の感想

 どうも、てんぐますたーです!

 今回は『パージ』を見たので感想を書いていきます。

 

 『パージ』ってどんな映画?

 2013年の米国のホラー映画。

 一年に一晩だけ全ての犯罪が合法化される法律「パージ」。この夜は警察や消防、病院などの社会インフラが完全に停止する。「パージ」を最新の警備システムを導入した屋敷で過ごそうとする四人家族のサンディン一家。しかし「パージ」開始直後、その標的となった一人のホームレスをかくまったことで、暴徒と化した人々に命を狙われることになる。

 

 書きたいことをあれこれと

 主人公一家は殺戮と狂気の夜を、最新の警備システムが導入された自宅で過ごすことになる。この最新の警備とは、自宅の窓や扉などの人が入り込む隙のある箇所にシャッターを下ろすことである。作中においてこのシャッターは「自分たちは家で静かに過ごします」という自己主張意外の意味をなさない。おそらく個人経営の八百屋に下ろされているシャッターでも同じ役割を果たせただろう。

 

 全人類の命が平等の価値を持っているのならば、そこに属する自分だけは、自分の命を最も価値あるものだと考えるべきだ。

 しかしながら、本作に登場するサンディン一家の息子はそのようには考えないらしい。彼は中学生くらいの正義感に溢れる若者だ。「パージ」の標的になっている見ず知らずの男性を、最新の警備システムを解除してまで救うような高潔なる意思の持ち主である。

 あまりにも自分という存在を軽んじていると思う。

 全ての命が平等であるという考えは平時だからこそ許されるし、尊重されるべき考えだ。しかしながら本作は、全ての犯罪が許容され人々が自分の内に潜む暴力衝動を開放する一夜の物語である。それなのに「困っている人は見捨ててはおけない」などという正義感は、周囲にしてみれば、ただただ迷惑だし、現実的でないし、理想論的ファンタズムが過ぎる行動だ。

 何よりも、助けを求めているその人物が、悪意を持っていないという保証はどこにもないのだから、やはり静観するのが合理的である。

 

 主人公一家の息子だけが愚かなのかと思っていたら、夫以外全員が理想論者で現実を直視しようとしない。かといってその理想論的な考えに執着するわけでもないし、一貫した価値観を持っていないのが鼻につく。

 もっとも、「パージ」の標的に自分たちがなるなどと主人公一家は考えていなかったのだから、矛盾のある行動は人間的であると好意的に受け取ることもできる。

 

 登場人物の行動の一挙手一投足にイライラとしながら見ていたけれど、個人的にはそこまで嫌いじゃない作品だった。

 

 おわりに

 今回は『パージ』の感想を書きました。

 ハロウィンに狂喜乱舞する若者を暴力的にしたような雰囲気の映画だと思いました。

 

 最後まで、読んでいただきありがとうございました!

 また読んでいただけると、幸いです。