てんぐの巣

どこにでもいる野生のてんぐです。ポケモンとか、映画とか好きなインドア派のてんぐです。雑多なことを書くてんぐです。

そこはかとない既視感を覚える映画『バリー・シール/アメリカをはめた男』の感想

 どうも、てんぐますたーです!

 今回は映画『バリー・シール/アメリカをはめた男』を見ましたので感想を書いていきます。

 

 

 

 『バリー・シール/アメリカをはめた男』ってどんな映画?

 2017年の米国の映画。トム・クルーズが実在の人物バリー・シールズを演じる。実話を基にした作品。

 バリー・シールは大手航空会社のパイロットにして、若くして機長に昇進するほどの一級品の腕前の持ち主である。彼はその立場を利用して密輸に手を染めていた。一級品の腕前と、密輸に手を染めているという事実から、シールはCIAに注目されることになる。シールはCIAから敵地の偵察任務を依頼される。野心家であったシールはそれを快諾し、務めていた大手航空会社から飛び出し、CIAの用意したペーパーカンパニーに所属する。こうして彼の世界中の緊迫した空を飛ぶスリリングな日々が幕を開けた。

 

 書きたいことをあれこれと

 最近は実話を基にした作品を見ることが多いのですが、それらに共通しているのがコメディ要素が多いことです。本作もその多くの作品と同じように、コメディ要素が多くて、ポップな雰囲気で物語りが進んでいきます。

 

 本作を見た限りでは、バリー・シールという人物は自信過剰な野心家で、考えるよりも先に行動をする人物だということが分かりました。全ての行動に一貫性があり、清々しい気持ちで映画を見ることが出来ました。 

 

 作品としては面白かったのですが、映画の作りがニコラス・ケイジ主演の『ロード・オブ・ウォー』に似通っている印象を受けました。こちらは2005年の作品なので、もしかしたら意識した部分もあるのかもしれませんね。

 

 本作は確かに面白い作品なのですが、個人的には『ロード・オブ・ウォー』を薄めた映画作品であるように思ってしまいます。

  もっとも二つの映画作品は基にした題材からして違うので、比較することはナンセンスなのかもしれませんが、どうしても作風が似通っていることから『ロード・オブ・ウォー』と比べてしまいます。

 

 おわりに

 今回は『バリー・シール/アメリカをはめた男』の感想を書きました。

 普通に面白い作品だと思います。

 ただ映画を見終わってから、そこはかとない既視感に襲われる作品になっています。

 多分『ロード・オブ・ウォー』を見ていなかったら、手放しで面白いという感想が出るはず。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございます!

 また読んでいただけると、幸いです。

レクター博士がスターリング捜査官に出会う直前までを描いた映画『レッドドラゴン』の感想

 どうも、てんぐますたーです!

 今回は映画『レッドドラゴン』の感想を書いていきます。

 

 

 

 『レッドドラゴン』ってどんな映画? 

 2002年に米国で制作された映画。原作はトマス・ハリスの同名小説。『羊たちの沈黙』、『ハンニバル』に続く「ハンニバル・レクター」シリーズの三作目。

 『羊たちの沈黙』のFBI捜査官クラリススターリングに出会う直前までを描いている。

 FBI捜査官のウィル・グレアムは、犯罪精神医学の権威であり連続殺人鬼のハンニバル・レクターを逮捕した、若くて優秀な刑事だ。しかし彼はレクター博士を逮捕した後、FBIを退職した。フロリダ州ラソンの海辺で隠遁生活を送っていたウィルの元に、FBI時代の上司ジャック・クロフォードが訪ねてくる。クロフォードは二つの別々の州で起こった連続一家惨殺事件のことをウィルに話し、捜査への協力を依頼する。ウィルは事件解決のために現場に復帰し、調査を開始する。

 

 書きたいことをあれこれと

 『レッドドラゴン』を見るのは今回が初めてでした。

 

 映画版の「ハンニバル・レクター」シリーズは『羊たちの沈黙』、『ハンニバル』、それから『ハンニバル・ライジング』の3作品をこれまでに見てきましたが、『レッドドラゴン』だけは見ていませんでした。というのも『レッドドラゴン』が映画化されていることを存じ上げていなかったためです。そのため、これまでは「ハンニバル・レクター」の映画シリーズは3作品であるという認識でした。

 おそらく「ハンニバル・レクター」シリーズで一番知名度がないであろう「ハンニバル・ライジング』を知っているのに、『レッドドラゴン』の映画化を知らなかったことには、随分と不思議な人生を送っているなという感想を抱きます。

 

 さて「ハンニバル・レクター」シリーズといえば、猟奇的かつ狂気的な殺人鬼が登場して、凄惨な事件の山を築き上げることでお馴染みですが、本作も期待を裏切らないものになっていました。

 

 本作の殺人鬼は死体に歯型を残すことから”噛みつき魔”と呼称されています。その”噛みつき魔”の犯行の特徴は死体に歯型を残し、家中の鏡を破壊し、一家惨殺をしてから夫人の目に鏡の破片を埋めることです。

 思わず目を背けたくなるようなおぞましい光景です。

 その場面を見たとき、私は身体の奥の方から原初的な嫌悪感と恐怖が湧きだすのを感じました。

 

 私のワードチョイスに著しい問題が発生しているために、字面だけではその時の感情を伝えきれないのがとても歯がゆく思います。

 

 本作は常に緊張感のある作品だったと思います。

 

 アコースティック・ギターの弦みたいな映画という表現が的を射ているのではないでしょうか。

 チューニングをした状態のアコギの弦は常に緊張した状態にあります。ギター本体にも見た目からは想像もできないような大きな力が加わっています。その緊張を何も考えずに強めたなら、弦はいつかけたたましい音を立てて勢いよく切れてしまいます。

 本作はギターに張られた不安と恐怖でできた弦に、おっかなびっくりで緊張を加えていく。そんな雰囲気の映画だったと思います。

 

 おわりに

 今回は『レッドドラゴン』の感想を書きました。

 グレアム捜査官との接し方は、これまでのシリーズで見せてきたハンニバル・レクターとは微妙に違うように感じた。最初はそこに違和感を感じたけれど、馴染みのキャラクターの今までに見られなかった部分が描かれていて、楽しめた。

 久しぶりに『羊たちの沈黙』を見たくなりました。

 小説版の『羊たちの沈黙』は大分前に購入したのですが、読まずに本棚で誇りをかぶっているのでこの機会に読んでみるのもいいかもしれませんね。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました!

 また読んでいただけると、幸いです。

ホラー映画でなく法廷映画な『エミリー・ローズ』の感想

 どうも、てんぐますたーです!

 映画『エミリー・ローズ』を見たのでその感想を書いていきます。

 

 『エミリー・ローズ』ってどんな映画?

 2005年に米国で制作・公開された映画作品。日本では2006年に公開されている。

 実際にあった悪魔に憑りつかれたとされる少女の事件が題材。

 悪魔に憑りつかれた少女が死んだ。彼女は神父による悪魔払いの儀式を受けていた。世間は悪魔の存在を信じておらず、神父の過失によって少女の命が失われてしまったのだと考えていた。神父の弁護を担当する女性弁護士は、彼の無実を証明するために、法廷で悪魔の証明に挑む。

 

 書きたいことをあれこれと

 悪魔祓い。あるいはエクソシストと呼称される存在が登場する映像作品はとても多い。その映像作品の中で起こっている事象は、登場人物たちにとっては今現実に起こっている脅威である。そしてそれを見ている私たちは、登場人物に時に共感して、その台風のような恐るべき脅威に打ち勝つことを期待している。

 

 しかしながら、本作品にそのような淡い期待を抱くことは無意味である。なぜなら、彼女は冒頭で既に死んでいるからだ。

  

 本作品は少女が死んだことは、神父による過失であったかどうかが法廷で争われてく。物語が進むにつれて、生前少女がどのような状況に――つまり、本当に悪魔に憑りつかれていたのか、それとも精神病だったのかが第三者の証言などからあらわになっていく。

 

 本作を通して印象的だったセリフがある。要約すると「真実は疑いの余地を残さない。悪魔の存在を断言できないが、可能性はある」といったものだった。

 

 この言葉は本作品における、実際に起こった事件に対するスタンスを表明しているようで、とても記憶に残った。

 

 おわりに

 今回は映画『エミリー・ローズ』の感想を書きました。

 ”ホラー”を求めて視聴すると物凄く肩透かしを食らうことでしょう。”法廷ドラマ”としてだったら楽しめないこともないかなといった印象を覚えます。

 実際に起こった事件が題材ということで、悪魔は本当にいるのかしら? と少しだけ胸をときめかせている自分がいますが、本当のところどうだったんでしょうね?

 まあなんにせよ、それらすべてを片付ける魔法の言葉として「断言できないが可能性はある」だったんですかね。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました! 

 また読んでいただけると、これ幸いです。

秀逸なサスペンス映画『サイド・エフェクト』の感想

 どうも、てんぐますたーです!

 映画『サイドエフェクト』を見たので感想を書いていきます。

 

 

 

 『サイドエフェクト』ってどんな映画?

 2013年に米国で公開されたサスペンス映画。

 鬱病の女性が自分の夫を殺害した。彼女は新薬の抗うつ剤を投薬していた。その副作用により彼女は夫殺害当時に意識がなく、無意識中の凶行だった。その薬を処方した精神科医が、自分の名誉回復のために、事件解決へと調査を始める。

 

 書きたいことをあれこれと

 本作は前半部分で鬱病の女性患者の視点から物語を描き、後半では精神科医の視点で物語が展開される。

 

 前半部分では一見して、何を私たちに見せようとしているのか分からない不気味さが画面越しに漂っていて、友人の家で一人で留守番をさせられているような居心地の悪さが感じられた。しかしながら、本作をすべて見終わったなら、この前半部分がいかに緻密かつ繊細に作られていたのかを思い知らされるだろう。

 前半パートで張り巡らされた伏線の数々を回収する後半部分は圧巻で、淡々としながらもどこか鮮やかさがあり、一瞬たりとも目が離せなかった。

 

 映画全体の雰囲気を一言で表すなら「淡々とした」あるいは「淡泊」といったものが当てはまると思う。

 

 もしも日曜日の午後にテレビでこの作品が流れていたなら、私であれば後半部分に差し掛かる前に、野球中継を求めてチャンネルを変えると思う。前半部分は伏線をそこかしこに張り巡らせるという性質上、自主的にそれを見るという確たる意識を持っていなければ、この映画の淡泊さも合わさり恐ろしく退屈な作品に思えるだろう。しかしながら、最後までこの作品を見たのなら、評価は間違いなく良いものに変わるはずだ。

 

 おわりに

 今回は映画『サイド・エフェクト』を見た感想を書きました。

 前半部分を退屈に思われる方もいらっしゃると思いますが、それでも最後まで見てほしい作品でした。

 本作品を見て後悔することはないと、自身をもって断言できます。

 

 最後まで、読んでいただきありがとうございました!

 また読んでいただけると、これ幸いです。

雨の日

 どうやら北海道に台風が来ているらしい。

 

 そのせいか朝から雨がひっきりなしに振り続いていた。

 

 こういう日は朝早くに起きて、登校中の子供たちが作り出す傘の花を、自室の快適な空間から見下ろすのが最高に愉悦である。そのため、私は朝六時には自分の寝床から這い出して、朝食とシャワーを済ませて、本に目を落としながら子供たちが家の前を通るのを待ち続けた。しかし不思議なことにどれだけ待っても、子供どころか人っ子ひとり私の家の前を通らない。

 

 どういうことかしらと頭に疑問符を浮かべていると、壁に掛けられたカレンダーが目に留まった。

 

 私はそれを見て全てを理解した。

 

 今日は秋分の日だ。

 

 私は肩の力がするりと抜け落ちていくのを感じた。

 

 天気が悪い日は一日中家に引きこもり、映画を見たり、ギターを弾いたり、本を読んだりしながら過ごすのが好ましい。文化的で健全な人間的な生活とは、このようなものをきっと指すのだと思う。少なくとも、どこの誰とも分らぬ人の靴が水浸しになっている場面を想像して、にまにましているのは健全とは言い難いだろう。

 

 その点、私はすこぶる健全である。

 

 窓ガラスに勢いよく雨粒が叩きつけられる音を聞き流し、趣味のギターを練習しながら、誰かの水浸しの靴の中身を想像してニマニマする。

 

 健全すぎて泣きたくなってくるね。

殺人ピエロに子供たちが立ち向かう映画『IT/イット それが見えたら、終わり。』の感想

 どうも、てんぐますたーです!

 ペニーワイズでお馴染みの映画『IT/イット それが見えたら、終わり。』の完結編が11月に公開されますね!

 私はこれを映画館に見に行こうと考えているのですが、前作をまだ見ていなかったのでこの機会に見てみました。

 今回はその感想を書いていこうと思います。

 

 

 

 『IT/イット それが見えたら、終わり。』ってどんな映画?

 1986年にスティーブン・キングが発表したホラー小説『IT-イット-』を映画化した作品。2017年に米国で制作された。

 どういうわけか子供たちにしか姿が見れない不思議なピエロが、町にいる子供たちを怖がらせたり、お腹が空いているから食べようとしたりする映画。このピエロは名前をペニーワイズといい、どんなものにでも化けることが出来る特殊能力を持っている。

 互いに悩みを持った少年少女たちが、この恐怖の化身に立ち向かう姿を描いている。

 

 書きたいことをあれこれと

 ペニーワイズはピエロである。

 ピエロといえば泣き笑いの表情を浮かべていて、コミカルな動作で人々を笑わせることを生業としている姿が印象的だ。しかし、本作のピエロは笑わせることよりも、驚かせ、怖がらせることに全力を掛けている。

 ペニーワイズはピエロ特有のコミカルな動きをさせながら、人々の恐怖の対象に姿を変えて襲い掛かってくる。

 彼の印象的な動きとしてバイブレーションのように身体を激しく動かすことが挙げられます。不気味ではあるのですが、印象的過ぎてもうはやギャグの領域に片足突っ込んでいるように思えます。

 

 本作は多くの人が子供時代に経験する大人から与えられる不自由な自由からくる葛藤や、目の前で起こっている事件に対する大人の無関心などが子供の目線から切り取られており、中々ぞっとするものがある。

 

 個人的にはそんなに怖くはなかったなというのが正直なところとしてある。

 

 怖いというよりも不気味という言葉が適当な世界観だなと思いました。

 

 おわりに

 今回は『IT/イット それが見えたら、終わり。』の感想を書きました。

 続編は大人になった主人公たちがペニーワイズに立ち向かうということで、どのような物語が展開するのか今からとても楽しみです。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 また読んでいただけると、これ幸いです!

寝覚めがいい

 ここ2日間、寝覚めがスゴくいい。

 

 スマートフォンに設定している朝六時の目覚ましの時間よりも、ほんの少しだけ早く目が覚める。時間を確かめるためにスマホを手に取った瞬間にタイマーが鳴って、それをノータイムで止めるのが気持ちよくて仕方がない。

 

 朝は苦手で目が覚めてから、布団から出るまでに30分くらいかかることも珍しくない。その30分間で太陽の寿命が今すぐに尽きることを天に祈ることが、時間の有効活用であると自分に言い聞かせることを、この2日間はしていない。あろうことか、目が覚めているだけでなく、頭すらも冴えているものだから、その時間を読書に当てるという現代人の鑑のようなムーブを決め込む余裕すらある。

 

 なぜ突然こんなにも寝覚めがよくなったのか。原因は分からないが、明日も気持ちのいい朝を迎えられたら嬉しい。